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「ゆるボイトレ」講座 解説

きっかけ

 
 
数年前、母(80歳)が病気で入院しました。
手術が必要とのことで日程を決めるも、血中酸素濃度を測ると80%台前半。
このままでは手術ができないとのことでした。
 

ゆるボイトレ

そこで、ボイストレーナーとして、入院中の母が病室でもできる「頑張らない」「楽しくできる」トレーニングを編み出しました。
もちろん、医学的見地も必要でしたので、知り合いのお医者さんに相談・確認したりして考え出したメソッドが現在の「ゆるボイトレ」のメソッドの原型でした。
 
約10日間、1日10分ほど母と一緒にトレーニングして、血中酸素濃度を測ると97%。
見事手術ができる数値になっていたのです。

ゆるボイトレ
ゆるボイトレ

これほど、ボイストレーナーをやっていてよかったと思ったことはなかったですし、同じように手術を受けたくても呼吸の問題で手術を受けられない方々が多いと聞きます。
 
入院患者であった母でさえ病室でトレーニングでき、短期間で血中酸素濃度を正常値に戻すことができた「ゆるボイトレ」を是非、みなさまにもお役立て頂きたいと思います。
 
ボイストレーナー 小泉誠司

ゆるボイトレとは?

 
 
高齢者の方でも、ほんの少しの時間で、簡単にできるボイストレーニングです。

「気持ち良い声」の源は「気持ち良い呼吸」。
 
健康に役立つ「気持ち良い呼吸」を行いつつ、「気持ち良い声」が出せるようになるメソッドです。
高齢者でも、入院患者の方でも...声を出せない場所でも...簡単にできるメソッドですので、気軽に試してみてください。
 
まずは、誰でも簡単にできる「気持ち良い呼吸」の方法をご紹介します。

クイズ 1 :
「普通の口」と「 チーズの口」、声が出やすいのはどっち?

 【 やってみよう 1 】
 
A.普通に口をとじた状態で鼻から息を吸ってください。
 

ゆるボイトレ
 
B. 写真を撮るときの「チーズの口」のように、上の前歯が見えるように上唇をあげて、鼻から息を吸ってください。
 
ゆるボイトレ
 
 
A と B、どちらが息を吸いやすかったですか?
 
B のほうが吸いやすいと感じられたのではないでしょうか。
 
 

なぜ効果があるの?

ことわざでもある「笑う門には福来たる」というように、「笑い顔」の方が、表情筋が上がり、鼻腔が広がることで、息が吸いやすくなります。
「息が吸いやすい」=「健康体になる」=「福が来る」ということになります。

 

クイズ2 :
「気をつけ」と「合唱」、声が出やすいのはどっち?

声帯は年齢と共に衰える

 
声帯も筋肉で出来ています。足腰の筋肉と同じで加齢と共に衰えていくのです。声帯が衰えると、左右の声帯の筋肉が緩んでしまい、しっかりと声帯を閉じれなくなります。
こうなると「息漏れしている声」「ガサガサした声」になってしまうのです。
また、左右の声帯がしっかり閉じなくなると「誤嚥性肺炎」の危険性も増します。
 
なぜなら、声帯は気管への異物の侵入を防ぐ「最後の砦」だからです。
誤って気管に食べ物や水分が入ろうとしても、声帯がしっかり閉じていると食べ物や水分の期間への侵入を防いでくれます。
 

どうやったら、声帯の筋肉を鍛え左右の声帯をしっかり閉じることができるのか?

 
通常の姿勢、例えば「気をつけ」のように両手が両脇にある姿勢の場合、左右の声帯は「半開き」のような状態になってしまいます。
 
「合掌」の場合は、左右の声帯の筋肉の中央に向かおうとする力が増し、左右の声帯が閉じていくのです。
 
1日1回は手を合わせてお祈りすることもあるでしょう。
その時間を利用して、是非「合掌声帯トレーニング」を行なってみてください。

クイズ3 :
「蛍の光」と「大きな古時計」、歌がうまくなるのはどっち?

「蛍の光」を歌った方が歌がうまくなります。

 
[蛍の光]
蛍の光 窓の月
ふみよむ月日 重ねつつ
 
[大きな古時計]
大きなのっぽの古時計
おじいさんの時計
百年いつも動いていた
ご自慢の時計さ
おじいさんの生まれた朝に
買ってきた時計さ
今はもう動かないその時計
 

なぜ?

 
大きな古時計」は、歌詞カードに書いてある文字だけで歌うことは可能。
でも「蛍の光」は、歌詞カードに書いてある文字だけで歌うことは不可能だから。
 
 
蛍の光
ほおたあるうのお ひいかありい
 
窓の月
まあどおのゆうきい
 
ふみよむ月日
ふうみいよおむうつうきいひい
 
重ねつつ
かあさあねえつうつう
 
 
歌唱指導において、表現力アップのために「母音を入れて」と指導される場合があると思いますが、無理矢理に母音を入れようとすると逆効果、不自然な歌になってしまいます。
 
頑張って「母音を入れよう」としなくても、昔から歌ってきた曲を歌った方が、自然に母音も入り歌の表現力アップに効果が出るのです。
 
他に「赤とんぼ」「むすんでひらいて」も効果があります。

3/21に「ゆるボイトレ」開催します。(申込先着順)
気持ち良い声が出て健康になれる「毎日の習慣」も説明します。
詳しくはコチラ

「ゆるボイトレ」は頑張らなくても良いトレーニングです。小さな動きや「気づき」で、呼吸の改善 ・ 声の変化が期待できます。
したがって高齢者の方でもひとつひとつ、無理なく楽しく行っていただけます。

「ゆるボイトレ」生みの親

 
小泉誠司

 

小泉 誠司(こいずみ せいじ)
ボイストレーナー / 作曲家 / 音楽プロデューサー
株式会社ニューベリーサウンド 代表取締役

 
 
  
アメリカ ボストンバークリー音楽大卒。
帰国後、数々のアーティスト、タレントの作曲、編曲、プロデュ ースを行う。
その一方で精力的にボイストレーニングも行い、玉木宏はじめ著名俳優や声優のボイストレーニングも指導、高い信頼を得ている。
テレビ番組への出演や、監修も多数。東京銀座の老舗楽器店「銀座山野楽器」でセミナー開催、定員を大幅に上回る受講者が参加し好評を得る。
また病院や医療施設、企業でのボイス トレーニング指導など、幅広い応用・指導を行っている。
 

著書

「1 分でいい声になる!〜話し方より『いい声』が効く!」 (自由国民社)
「人生を変える『勝ち声』『負け声』~あなたを救う『声の法則』教えます!」 (リットーミュージック)
「ボイトレの“当たり前"は間違いだらけ!? すぐに歌がうまくなる 新常識」 (リットーミュージック)